2008年04月27日

【白衣のマーケター】ネット診療圏特集(その6・ドメイン名は栄光へのかけ橋)

今年2008年2月13日から、Windows XPユーザーに対するInternet Explorer 7日本語版の自動更新が行われています。

本オンライマガジンでも、2月17日、
http://blog.dr-ml.jp/article/11024044.html
で報告しました。

Internet Explorer 7が普及すると、日本語ドメイン名に患者がアクセスできるようになります。

日本語ドメイン名が今後盛り上がっていくことが予想される一方で、今回は多くの医療機関において公式URLの一部として使われている英数字のドメイン名についてネット診療圏の観点から解説します。

「日本クリニック」という医療機関があったとします。下記のようなURLが候補となります。(赤い部分がドメイン名です)

(1) http://www.nihon-clinic.jp
(2) http://www. nihon-clinic.gr.jp
(3) http://www. nantoka-net.ne.jp/~nihon-clinic/
(4) http://www. nihon-clinic.com
(5) http://www. nihon-clinic.info
(6) http://www. nihon-clinic.cc

もし貴院が「日本クリニック」という名称の場合、どのドメイン名を選択するでしょうか?

患者がネットのヘビーユーザであればネットリテラシーのレベルが高いので小さな差であるという見解もあるかもしれません。しかし大多数の平均的なネットユーザにとっては大きな違いがあります。記憶しにくいドメイン名と記憶しやすいドメイン名に別れてしまうからです。

記憶しにくいドメイン名の場合、駅看板・電柱広告・野立て看板等で案内したとしても、帰宅後に患者はパソコンを前にしてURLを思い出すことができません。つまりドメイン名がネット診療圏とリアル空間のかけ橋にならないのです。

かけ橋にならないドメイン名を貴院が選択してしまった場合、貴院のネット診療圏はリアル空間に拡張できなくなります。このことによる損失は想像以上に大きなものです。

ドメイン名の構造の要点について、日本を代表する企業ソニーのドメイン名(sony.co.jp)を例に説明します。

ソニーのドメイン名はsonyとcoとjpの3つ分解できます。それぞれ下記のような意味があります。

jp: 国名(第一レベルドメイン)
co: 業種(第二レベルドメイン)
sony: 固有名詞(第三レベルドメイン)

第一レベルドメインの場合、国別と国別でない汎用的なものがあり、国別でない汎用的なものの代表的な例としては「com」「net」「info」などがあります。

第二レベルドメインは、国別の第一レベルドメインごとに分類されています。第一ドメイン名が「jp」の場合、「co(企業)」「ne(ネットワークサービス)」などがあります。

第三レベルドメインは申請すれば先願主義で登録することができます。

ドメイン名の構造の概要を理解した上で、下記のドメイン名を選択する際のポイントを押さえてください。

(イ)第一レベルドメインの国別のものは自国のものに限る。
(ロ)第一レベルドメインの国別でない汎用的なものにはメジャーなものとマイナーなものがある。
(ハ)第二レベルドメインが「ない」ドメイン名がある。

つまり、第一レベルドメインは自国のものか、国別でない汎用的なものであれば「メジャー」なものを選び、第二レベルドメインは「ない」方が、シンプルで記憶されやすいドメイン名となります。

日本国内の医療機関であれば、第一レベルドメインは、国別は「jp」、汎用的なメジャーなものは「com」を当ラボでは推奨します。

第三レベルドメインについては、当然ですが貴院名を想起させるような名称を選択するのが基本です。

ここまで解説してきましたが、冒頭の(1)〜(6)を振り返って評価してみましょう。

(1) http://www.nihon-clinic.jp
 ⇒ 有力候補
(2) http://www. nihon-clinic.gr.jp
 ⇒ 第二レベルドメインがあるのでNG
(3) http://www. nantoka-net.ne.jp/~nihon-clinic/
 ⇒ そもそもプロバイダなど他社のドメイン名なのでNG
(4) http://www. nihon-clinic.com
 ⇒ 有力候補
(5) http://www. nihon-clinic.info
 ⇒ 第一レベルドメイン名がマイナーなのでNG
(6) http://www. nihon-clinic.cc
 ⇒ 第一レベルドメインが他国のものなのでNG

(1)(4)から選ぶことにしましょう。(1)(4)以外のドメイン名によるURLは、平均的なネットユーザには記憶しにくいものなのです。

携帯電話番号の先頭が「090」などではなく、「091」とか「092」とか「093」とか、人によってバラバラだったら困りますね。それと同じです。

(3)は論外です。つづりが長く記憶しにくいのと、SEO的にも問題があります。経営者としての資質すら疑われます。

次回につづく。

2008年04月20日

【白衣のマーケター】ネット診療圏特集(その5・額に汗かいて堅実にSEOをねらう)

医療マーケティングの分野で病院・クリニックなどの医療機関を紹介するポータルサイト(以下、医療機関ポータル)が爆発的に増えています。

Yahoo!・Googleなどで検索キーワード「病院ポータル」で検索してみてください。検索結果欄も検索連動型広告欄も医療機関ポータルへの案内がずらりと並びます。

患者からみて医療機関ポータルは一見便利なように思われますが、大きな課題を抱えています。ホームページを開設している医療機関があまりにも少なすぎるのです。

医療機関ポータルで医療機関の存在を確認できたとしてもホームページが開設されていなければそれ以上の情報を集めることができません。このことはインターネットを駆使して情報収集をしている患者にとってはとてもストレスがたまることなのです。

医療機関のホームページ開設率は約15%といわれています。インターネット利用者が8,000万人を超え、インターネットで医療情報を収集する潜在需要が高まっていますが、なぜか医療界においてはホームページ開設率が伸びてきません。

その理由に関する考察は長くなるのでまたの機会に譲りたいと思いますが、事実として医療機関ポータルにはホームページを開設していない医療機関を患者に案内して患者をがっかりさせています。

とはいいましてもストレスを抱きながらも医療機関ポータルを利用している患者は大勢います。特に検索エンジンを上手に使えないインターネット初級者には医療機関ポータルは使いやすいネットサービスです。都道府県・診療科目などのインデックスをたどっていけば目的の医療機関を見つけることができます。

検索エンジンを巧みに使いこなしているインターネット中級者・上級者と医療機関ポータルとの関係はあるのでしょうか。おおいにあります。検索エンジンのSEO対策において医療機関ポータルは重要な役割があるのです。

SEOにおいて、外部リンクが増えれば増えるほど検索エンジンにおける貴院のホームページの価値が上がります。この外部リンクを正当に獲得する方法として、医療機関ポータルに貴院ホームページを登録することは極めて正当かつスマートな方法なのです。

外部リンクは正当に獲得する必要があります。自分で意味のないホームページを作ってそこから自分のホームページにリンクを張ったり、仲間を募って相互にリンクを張ったりするような行為がしばしば行われています。

しかしこれらの行為はリスクを伴います。運が悪ければ検索エンジンから不正行為と判断され、貴院ホームページはYahoo!・Googleなどの検索エンジンから永久追放されてしまいます。

外部リンクを獲得するための王道は、もちろん貴院ホームページの充実・人気化です。人気があるということは客観的に価値があることであり、意図せずに他のホームページからリンクが張られる可能性があります。

しかし、日々の忙しい医療機関経営の合間に、貴院は人気ホームページをつくる暇はないと思います。ましてや時間をかけて人気ホームページをつくろうとしたとしても人気が出る保障もありません。

医療機関ポータルに貴院ホームページ登録して外部リンクを獲得する方法は外部リンクの獲得においてハズレがありません。汗をかけばかくだけ堅実に確実に外部リンクを獲得することができるのです。

最低1週間に1つ、医療機関ポータルに貴院ホームページを登録することをお勧めします。じわりじわりと貴院ホームページの価値が上がっていきます。

次回につづく。

2008年04月13日

【白衣のマーケター】ネット診療圏特集(その4・バーチャル土地の価値を暴騰させるためには)

病院・クリニックが立地するバーチャルな土地の価値をじわりじわりと上げる方法として、前回は院長ブログの活用を解説しました。今回は土地の価値を一気に上げる方法をご紹介します。Yahoo!・Googleなどの検索エンジンのリスティング広告を使う方法です。

リスティング広告とは、検索エンジンのキーワードを購入し、患者がそのキーワードで検索したときに、検索結果の広告欄に貴院ホームページへの案内広告が表示される仕組みです。検索者がその案内広告をクリックしたときに広告料が課金されます。

リスティング広告はバーチャルな土地の価値を瞬時に上げる特効薬です。申し込みをした日にすぐに効果が現われます。バーチャルな土地の価値が暴騰します。

お金を使っているので当たり前といえば当たり前ですが、実際の土地ではいくらお金があっても購入できない超一地があります。バーチャルな土地ではそれがありません。必ず目的の超一等地が手に入ります。

例えば患者が「東京」+「歯科」で検索したとします。東京に数千件の歯科医院がある中、貴院のホームページが検索結果の1ページ目に表示される可能性は極めて低いと思われます。それが「東京」+「歯科」のキーワードを購入するだけで、1ページ目に貴院ホームページの案内広告が表示できてしまうのです。

もちろんSEO(検索エンジン最適化)業者に多額の業務委託料を支払って、しかも外部リンクの獲得やコンテンツの充実など気が遠くなるような作業を行えばリスティング広告を使わなくても1ページ目に表示される可能性はあります。しかし、そのための労力は並大抵のものではありません。

リスティング広告への出稿にあたって、何のキーワードを買うかでネット診療圏の設計が異なってきます。「東京都」を買うか「目黒区」にするか「自由が丘」を購入するか。

リアルの実際の診療圏にネット診療圏を合わせるのが基本ですが、ネット診療圏はまだまだ競合が少ないので広めに設計するのも一考です。

リスティング広告の単価はキーワードごとに異なります。Yahoo!の場合は最低9円から出稿できます。むしろ勝負は単価ではなく、貴院ホームページを見たあとの来院率が重要です。(Webマーケティングではコンバージョン率といいます)

10人がクリックしてその内一人でも来院すれば、一人当たりの広告コストは90円となります。仮に単価が100円の場合でも一人当たりの広告コストは1,000円です。その後に引き続き来院するようになれば新規患者獲得コストとしては高いコストではありません。

10人に1人の10%の確率で来院すれば単価が100円でもやっていけます。10%か1%か50%か、貴院のホームページの内容で決まってきます。

ここでも院長ブログの役割が大きいと当ラボでは考えます。医療機関の基本情報をきれいなデザインで表現するだけのありきたりのホームページでは他院と差別化できません。

院長ブログの内容の充実、これにより院長の魅力、医療機関の魅力が患者に伝わります。患者も人間です。院長も人間です。人間同士の相性が気にかかります。院長ブログを見ればある程度院長の人となりがわかります。この安心感を軽視してはいけません。

リスティング広告のコンバージョン率を上げるためにも、院長ブログをマーケティング・ツールとして活用するべきです。

院長ブログをはじめとした貴院のホームページが来院率を高めるような品質のものであれば、積極的にお金をかけてリスティング広告を活用することをお勧めします。

次回につづく。

2008年04月04日

【白衣のマーケター】ネット診療圏特集(その3・検索エンジンの銀座鳩居堂前に立地しよう)

実際の土地の銀座鳩居堂前のように、検索エンジンにも皆が憧れる超一等地といったものがあります。Webを使った医療マーケティングの中心テーマです。

正確には「超一等地がある」というよりも「超一等地を開拓する」といった方がいいかもしれません。SEO・SEMなどを駆使し、日々改善に努め、自らバーチャルな土地を切り開き、価値を高めていかなければなりません。

鳩居堂前などの実際の超一等地はもう開拓できませんが、バーチャルな土地は開拓が可能です。

患者が病院・クリニックなどの医療機関を探すときの検索パターンは無限にあります。ある程度の類型化は可能ですが、無限であることを理解してください。類型化された検索パターンに対応しただけのSEO・SEMで満足してしまう場合がありますが、これでは超一等地を手に入れることはできません。

もちろん代表的な検索パターンへの対応は必須です。駅前の一等地には及びませんが、ネット上にしっかりと存在感を示すことができます。駅看板と同程度の宣伝効果は期待できます。

検索エンジンを使う際の患者の代表的な検索パターンとしては、以下のキーワードによる検索があります。

@「(地域名)」+「病院」
A「(医療機関名)」
B「(疾患名)」
C「(地域名)」+「(疾患名)」
※上記の()は固有名詞

上記4つのキーワードへのSEO対策は必ず行ってください。特にトップページのSEOは重要です。ホームページ制作を委託している業者に依頼し、確実に対応してください。

トップページのSEOだけでは上記キーワードで患者が検索したときに貴院ホームページが上位表示されるとは限りません。しかし、この対策がなされていないと、他のSEO対策をいくら積み上げても焦点がぼけてしまいます。バーチャル空間にうまく立地できません。

代表的な検索パターンに対応した後、ホームページの内容の充実、外部リンクの獲得、リアル世界との連携、お金を使ったSEM、等々の諸施策を実行することにより、徐々にバーチャルな土地の価値を高めることができるのです。諸施策については次回以降解説します。

さて、冒頭で患者の検索パターンは無限であると述べました。無限の検索パターンにはどう対処したらいいのでしょうか。どのようなキーワードを患者は使っているのでしょうか。

無限の検索パターンを特定することは困難です。当ラボからの提案は、
・「数打てば当たる」をスマートに実行
することです。その具体的手法として院長ブログによる情報発信を推奨します。

院長ブログによる情報発信によって、貴院ホームページを大量の文書・キーワードで重装備することができます。何回も何度も不自然でなく「(地域名)」「(医療機関名)」「(疾患名)」を繰り返し書くことができます。その他のキーワードもちりばめることができます。

もちろん院長ブログ以外の方法で貴院ホームページを充実し大量の文書・キーワードで重装備することは可能ですが、無意味に分厚いパンフレット的なホームページになりがちです。分厚いといっても無限に増やすこともできなければ、パンフレット的では患者の感情に訴えるようなコンテンツともいえません。

院長ブログをたくさん書くと貴院ホームページには知らず知らずのうちに大量の文書・キーワードが集積されます。その集積がそのまま患者の無限の検索パターンへの対策となるのです。院長の医療に対する考え方・趣味・性格なども情報発信できるので情緒的なキーワードへも対応できます。

院長ブログを最低でも月に1度、できれば毎週、理想は毎日、書きつづけてください。毎回話題を変えて検索エンジンにひっかかるためのキーワードのバリエーションを増やしてください。

意識的にキーワードのバリエーションを変えていくにこしたことはありませんが、無理をすると長続きしません。とにかく気軽に継続的に院長ブログを書き続けることが大事です。継続は力なり。じわりじわりとバーチャルの土地の価値が向上していくはずです。

ちなみにWebマーケティングでの院長ブログの意義については、
http://blog.dr-ml.jp/article/8679537.html
など、【白衣のマーケター】でさまざまに取り上げていますので、「院長ブログ」で記事を検索してみてください。

前々回にご案内したGoogle Analyticsは既に設定済みですか? もしまだのようでしたらすぐにでも設定してください。
http://www.google.com/analytics/ja-JP/

どのようなキーワードを使って貴院ホームページに患者がアクセスしているかがよくわかるようになります。多種多様なキーワードでアクセスされることに驚くことでしょう。

検索された後も、院長ブログは絶大な効果を発揮します。患者が通院する前に院長の人となりを事前に知ることができるので、複数の病院・クリニックを比較するときに貴院が選択されやすくなります。

院長ブログは院長の単なる日記ではありません。貴院のサービス情報そのものであり、かつ、ネット診療圏の超一等地を開拓するためのツールなのです。

次回につづく。