2008年06月15日

【白衣のマーケター】ネット診療圏特集(その9・経営者としての度量を試す口コミサイト)

ネット上で病院・クリニックなどの医療機関のサービス品質の良し悪しを患者間で情報共有するための口コミサイトが隆盛です。

http://www.qlife.jp/
http://women.benesse.ne.jp/
http://www.hospita.jp/
http://www.oishasan.jp/
http://www.doctor-navi.com/
等々

伝統的に口コミは患者が医療機関を選択するための有力な情報源でありました。ネットが口コミの情報伝播力を加速化し、記録性という付加価値を付け、口コミサイトというネットサービスを作ったのです。

医療マーケティングにおいては、口コミサイトは病院ポータルなどと比べて患者から信頼される傾向にあります。医療機関による広告宣伝的な病院ポータルよりも第三者による評価の方の情報価値が高いのは当たり前です。

口コミサイトをいろいろ試してほしいのですが、悪い評価があまり目立ちません。サイト運営側の配慮があるのでしょう。医療機関とのトラブルを避けるために名誉毀損と指摘されかねない投稿を削除したり、サイトコンセプトを良い評価の収集に重きを置いたり。

しかし、今後は当然の患者ニーズによって、医療機関の悪い評価を積極的に集めていこうという口コミサイトが増えてくると思います。Yahoo!の株式掲示板・amazon.comの読者レビュー・飲食サイトの手厳しい味評価など、ネット上では普通のはなしです。

医療機関は口コミサイトにどのように向き合えばいいのでしょうか。じっと黙って悪い評価が投稿されないことを願っていればいいのでしょうか。実は良い評価だけしか投稿されていないとしても安心できないのです。

昨今の口コミサイトを利用する患者の意識としては、良い評価の投稿数を非常に気にしています。投稿数が少ないだけで患者はその医療機関の評判が高くないといったレッテルをはってしまうのです。

口コミの数を比べられるといった点で、口コミサイトは医療機関間の比較がしやすい環境を患者に提供しているともいえます。価格比較サイトの価格.comと同じ機能・サービスです。

http://kakaku.com/

医療機関は積極的に良い評価の口コミを獲得していく必要があります。待合室・ホームページなど患者とのあらゆる接点において、有力な口コミサイトの案内と投稿のお願いをするべきです。

このような患者への働きかけは口コミを獲得する以外の副次的効果があります。口コミをこわがらない医療機関の姿勢は、医療サービス品質への自信と患者に受け取られるのです。患者はそのようなオープンで自信に充ち溢れた医療機関の態度を好意的にとらえます。

口コミサイトにおける貴院の評価が高まると、少しでも安心できる医療機関を求めて、患者は遠くの医療機関に足をのばすようになります。つまり診療圏が広がります。

医療マーケティングでの口コミサイトの活用はまだまだ発展途上ですが、医療機関の選択動機としての口コミサイトの影響力は今後ますます大きくなっていくことでしょう。

次回につづく。

2008年06月08日

【白衣のマーケター】ネット診療圏特集(その8・NTTはやはり巨人?)

医療マーケティングにおいて、NTTの「タウンページ」は医療機関の広告宣伝のための常套手段であると思います。非常にメジャーな広告宣伝媒体かつ伝統的サービスです。院長の皆様もご利用ではないでしょうか。

タウンページはネット上でも展開されています。iタウンページです。

http://itp.ne.jp/

業種・地域別に整理されており、患者が探そうと思えば、簡単に目的の医療機関を見つけ出すことができます。一種の病院ポータルです。

iタウンページを使って患者が医療機関を見つけ出した場合、電話番号・住所・地図が確認できます。

iタウンページにはオプションサービスがあります。電話番号・住所・地図だけではなく、ホームページ形式で医療機関に関するさまざまな情報を発信することができます。同時に、iタウンページ上で目立つように優先的に上位表示されます。価格は月額5,250円(税込)からです。

iタウンページのオプションサービスへの申込率は、当ラボの調査では、首都圏で約7%、地方で約10%となっています。ホームページ全体の開設率が15%と少ない中、このiタウンページのオプションサービスへの高い申込率は異常な数値です。

iタウンページのオプションサービスが広告宣伝媒体として高品質かつ効果的であることが、この申込率の高さの理由でしょうか。

むしろ医療業界のWebマーケティングへの認識不足が、従来型の伝統的広告宣伝媒体であるNTTのタウンページのネット版に安易に向かわせているような気がします。

その証拠に、インターネット広告活用に非常に積極的な飲食店の場合、iタウンページのオプションサービスには医療業界よりも消極的です。東京都渋谷区の例では、506件中6件だけがオプションサービスへ登録していました。約1%強の申込率です。

iタウンページを活用しても意味がないといっているわけではありません。iタウンページはすばらしいサービスです。他の有名病院ポータルと同等のポータル的価値はあると思います。メジャーなサイトなので外部リンク獲得の観点で必ず取り組むべきです。

しかし、iタウンページだけで満足してしまうようではいけません。医療機関によるiタウンページのオプションサービスへのあまりにも高い申込率をみると、Webマーケティングへの積極性よりもむしろ根強い保守性を感じてしまいます。

iタウンページの活用は、数あるWebマーケティング施策の一里塚程度に考えてください。

次回につづく。