2008年01月06日

【白衣のマーケター】最強の広告媒体が広告ですらない歪み

ホームページは医療法69条の広告規制の対象外です。厚生労働省は、ホームページは広告ではなく広報であるという判断をしています。

企業マーケティングにおいては、マス広告に置き換わって、インターネットは広告の主役となりつつある現在、厚生労働省のこの判断は少しピントはずれです。一番効果のある広告媒体を規制対象外にしても意味がないからです。

厚生労働省がホームページを広告ではなく広報扱いにしている理由は、ホームページは患者自らが情報を得るためにアクセスするものと解釈しているからです。この解釈は論理的ではありません。たとえば電話帳のタウンページは広告規制の対象となっていますが、患者自らがアクセスしなければならない媒体だからです。

患者自らがアクセスするかしないかと、広告であるか広告でないかは、事実として因果関係に一貫性がありません。

また、そもそもホームページは患者自らがアクセスするものともいえません。Yahoo!・Googleなどの検索エンジンで病名などで検索をしていると、病院・クリニックのホームページ案内が強制的に表示されます。

実質的に広告となっているホームページに対して、日本医師会も「ホームページのガイドライン」を出しています。
http://www.med.or.jp/nichikara/hp_guide.html

内容の骨子は「実質的には広告なので医療法69条に準拠しよう」です。日本医師会のガイドラインでは次のように日本医師会員のホームページに関する課題が述べられています。

「一部で、虚偽・誇大な表現を含み、目にあまる誇大広告とも受け取れる内容のホームページや、代替医療の宣伝を兼ねた医療情報提供を行うホームページも少なからず認められ、国民が必要とする情報や信頼に足るべき情報が公正に提供される環境が整っているとは言い難い現状である。」

各病院・クリニックは独自の基準で好き勝手に情報発信しています。規制がないので野放し状態です。野放しが悪いといっているのではありません。マーケティング感度の高い病院・クリニックはホームページを使って企業などと同じように広告をしているだけのことです。

患者を集めたいと思っているクリニックが、実質的に広告できる手段としてホームページが法的に許されているなか、それを使わない手はありません。

医療界においては今だ広告として認められていないホームページですが、この歪みの時代・混乱期に、用意周到にWebマーケティングのノウハウを蓄積する病院・クリニックが医療界の競争社会を勝ち抜いていくものと確信します。

次回につづく。