2008年03月30日

【白衣のマーケター】ネット診療圏特集(その2・ネット診療圏を理解しよう)

医療マーケティングにおけるネット上の診療圏「ネット診療圏」の考え方を今一度整理します。

患者はリアルの生活の中で、通勤・通学などの途中で医療機関の前を通りすぎたり、駅看板・電柱看板などを見たりして、その存在を知ります。

ネットが登場する前は、患者はその限られた情報と口コミとタウンページなどを駆使して医療機関を選択するしかありませんでした。もしくはあまり検討することもなく近くの病院・クリニックにかかっていた患者も多いと思います。

2005年9月の日本医師会 IT 問題検討委員会の調査において、「医療機関を選ぶ際に知りたい情報をどこから入手しますか」という質問に対する回答で「医療機関(HP)など」という回答が 24.3%ありました。2008年現在、さらにその率は伸びていることが推察されます。

ネットの登場で医療機関の選択パターンが変わりつつあります。患者はネットを使ってより幅広く・より深く医療機関に関する情報が集められるようになりました。

情報の幅についてはむしろ広すぎて困るくらいです。信頼に足る情報、怪しい情報、玉石混合の状態でネット上には情報があふれかえっています。また、患者が英語を使えれば世界中の医療機関の情報が手に入ります。

むしろ今は、いかに必要な情報を絞って適切に集められるかの方が、ネットを利用する患者側の課題となっています。検索エンジンのキーワードの選び方のセンス等、患者側のネットリテラシーが問われています。

情報の深さについては、病院・クリニックのホームページで、診療方針・医療機器の充実度・スタッフの雰囲気・院長の経歴・所在地等々を簡単に調べることができます。第三者による医療機関評価もネット上にはあります。

もちろん医療機関のパンフレットが手に入れば、ホームページと同じような情報は入手できます。しかし、複数の医療機関のパンフレットを集めて比較することはとても手間がかかります。

主なる患者のネットを使った医療機関情報の収集方法をご紹介します。

@Yahoo!・Googleなどの検索エンジンを使う。
A病院ポータルを利用する。
B口コミサイトで評判を確認する。

上記@については、患者が使うキーワードを想像しながら自院ホームページのあり方を検討する必要があります。
Aについては、より多くの病院ポータルに登録しなければなりません。
Bについては、日頃のリアルでのサービス品質向上が対策の基本となりますが、ネット上での対策もあります。

さらに当ラボがこだわっているのが、
・日本語ドメイン名の活用です。
英数字のドメイン名では期待しにくいマーケッティング・ツールとしての効用があります。

患者側の情報収集方法だけではなく、
・リアル世界が与えるネット世界への影響。
・患者が情報収集したあとのリピート率の向上方法。
などもネット診療圏を設計する際に考慮しなければなりません。

以前にもご指摘しましたが、貴院がリアルの世界で好立地の場所で開業していたとしても、上記のようなWebマーケティングを実施しない場合、貴院はネット世界では暗黒の闇の中でひっそりと佇んでいるにすぎません。

その暗闇に光を当てていかなければ、他の医療機関との競争に敗れてしまいます。

これまではリアルの診療圏だけに気を使っていればよかったのですが、これからは同じような比重でネット上の診療圏への配慮も必要です。

むしろこれからはネット上の診療圏の方が重要になってくるのではないかと当ラボでは考えております。

これからはそういう時代です。ネット診療圏をどのように設計していくか。できればネットの世界においても燦然と輝く太陽の下に立地したいものです。

次回からは、@、A、B、「日本語ドメイン名」の順番で特集記事を書いていきます。

次回につづく。

2008年03月23日

【白衣のマーケター】ネット診療圏特集(その1・はじめに)

以前ネット診療圏という概念を解説しました。医療マーケティングにおける新しい概念です。
http://blog.dr-ml.jp/article/6912900.html

貴院が開業する立地があまり良くなくても、ネット上での存在感が増していけば、競合医療機関に打ち勝つことできます。

まずは貴院のホームページのアクセス状況を100%理解できる環境を構築してください。

マーケティングの基本にPDCAサイクルがあります。Webマーケティング施策を計画(plan)し、実行(do)・評価(check)・改善(act)のプロセスを繰り返していきます。

もしアクセス状況がわからない場合、PDCAサイクルの評価(check)ができません。計画(plan)・実行(do)したとしても、Webマーケティング施策の有効性を証明することができないのです。

Google Analyticsという無料のアクセス解析ツールがあります。
http://www.google.com/analytics/ja-JP/
検索エンジンで有名なGoogleが提供しているツールなので性能は折り紙つきです。

このツールを貴院でも導入して貴院のホームページのアクセス状況を把握できるようにしてください。これからの医療マーケティングにおいては必須のツールとなります。

ネット診療圏を分析するにあたって、どのエリアからアクセスされたかを検証することは重要です。Google Analyticsを使えば、簡単にアクセス者のアクセスした場所が確認できます。

仮説を立て、Webマーケティング施策を実行し、アクセス者のエリア分布がどのように変わっていくか、PDCAサイクルが回転するごとにその変化を定点観測してください。

ネット診療圏をどのようにしていくかという経営戦略の方向性は、病院・クリニックごとに違います。

専門性を高めてエリアを拡大していくのか、実際の診療圏と同じエリアにおいて存在感を高めていくのか、Webマーケティング施策の仮説を立てる前に決める必要があります。貴院の経営ビジョンのはなしです。

今回からネット診療圏に関して何週かにわたって特集していきます。次週までに是非Google Analyticsを設定し、ある程度機能を習熟しておいてください。

次回につづく。

2008年03月16日

【白衣のマーケター】患者は風邪を直して飛行代を得る?

2006年9月、東京都のすべての都立病院でクレジット決済ができるようになっています。

電気・水道・ガス・電話・NHK・新聞など、公共料金の分野でもクレジット決済ができる領域が拡大しています。

医療マーケティングでもクレジット決済が意識されるようになってきました。貴院ではクレジット決済ができますか?

クレジットカードが単なる便利な決済手段であったのは昔のはなしです。現在では消費者にとって最も関心のあるマーケティング・ツールとなっています。

なぜか? ポイントや様々な特典がもらえるからです。

例を挙げます。マイラーという人々がいます。マイラーとは航空会社のマイルを貯めて航空チケットに交換することを常に意識している人々です。

航空会社のマイルは飛行機に乗ればもちろん貯まります。東京とヨーロッパを往復すれば、国内旅行ができるくらいのマイルが貯まります。

飛行機に乗らなくてもマイルを貯める方法があります。航空会社の関連会社が発行するクレジットカードで買い物をすると、マイルが貯まるのです。ご存じの方も多いかと思います。

JALの例でいうと、関連会社にJALカードというクレジットカード会社があります。年会費を4,200円支払えば、買い物金額1%のマイルが貯まります。

年間150万円の買い物をすれば、15,000マイルが貯まり、国内旅行ができるのです。

年間150万円というと高額のように思えますが、月13万円弱、意識してクレジット決済をすれば非現実的な額ではありません。

マイラーにとっては、クレジット決済できるかできないかが、サービスを選ぶ決定的な要因となっているのです。

医療サービスにおいては、クレジット決済に関して、マイルやポイントなど、そのマーケティング効果に関して意識されておりません。あくまでも単なる決済手段の一つとして加盟するべきか否かの検討がされています。

民間企業ではクレジット決済は当たり前です。それよりもどこのクレジット会社と提携するか、クレジット会社のポイント制度をいかに活用するかに関心が移っています。

ちなみにJALマイルの会員は全国に約2,000万人もいます。

もし貴院がクレジットカード会社と加盟店契約したら、単にクレジット決済ができることではなく、ポイントが貯まることをアピールしましょう。マイラーやポイントコレクターの心に必ず響きます。

診療圏における競合状況が厳しければ、航空会社と特約店契約を結び、マイルが2倍貯まるようにしてもいいかもしれません。

医療マーケティングとクレジット決済は無関係ではないのです。

次回につづく。

2008年03月09日

【白衣のマーケター】患者のおサイフケータイのひもをゆるませよう

3月3日から6日まで、東京ビッグサイトで開催された「IC CARD WORLD 2008」に行ってきました。
http://www.shopbiz.jp/top/index_IC.html?PID=0003&TCD=IC

今年で10回目になります。4日間の来場者数は165,117人。

私は毎年行っているのですが、ここ最近来場者の数が爆発的に増加しているように感じます。来場者の顔つきも技術者でなさそうな人が多くなってきました。

Suica(JR東日本)・PASMO(関東圏私鉄)・電子マネーのEDY・おサイフケータイ(携帯電話会社)など、ICチップを活用したビジネスが普及したからだと思います。

今回の「IC CARD WORLD 2008」では、特におサイフケータイを活用したマーケティング関連の製品・サービスが目立ちました。

おサイフケータイとは、ソニー製のICチップ「FeliCa」が携帯電話に搭載された携帯電話のことです。ドコモ・au・ソフトバンクの各携帯会社から発売されています。

小売の店頭や街ナカなどに設置された接触端末とWebサイトとおサイフケータイを連携させて、ポイント会員化、割引クーポン発行、情報発信などが行えるといった製品・サービスが多く展示されていました。

ある調査によると、2007年10月時点でおサイフケータイのユーザーは4割を超えています。
http://c-news.jp/c-web/ShowArticle.do?did=01&aid=00010757

おサイフケータイはプラスチックカードにICチップが埋め込まれたICカードに比べて次のような優位性があります。

・ICチップに後からさまざまなサービスが追加できる。
・メールやケータイサイトなど携帯電話の通信機能が使える。
・画面があるのでサービス内容が表示できる。(電子マネーの残高など)

約5年前、私はICカードに関する実験をしたことがあります。Webサイトを使ったICカード向けの電子映画チケットの販売実験です。

実験モニターは、パソコンにICカードの読み取り装置を取り付け、専用のソフトウェアをCD-ROMからパソコンにインストールし、インターネットでWebサイトにアクセスし、電子チケットをWebサイトからダウンロードできます。

ICカードにはおサイフケータイのような画面がありません。したがいまして、電子チケットをダウンロードしても本当に無事にダウンロードできたかわかりませんでした。実験なのでモニターからはクレームはありませんでしたが、商用サービスとしては欠陥サービスでした。

その当時を振り返りますと、おサイフケータイの多機能性は舌を巻くばかりです。電子マネーやクレジットで買い物ができる。電車・バスに乗れる。ポイントカードになる。等々。

皆様の病院・クリニックにおかれましても、患者がおサイフケータイを持って来院されているのではないでしょうか。

医療マーケティングへの初歩的な応用の観点から、活用できそうなおサイフケータイの機能をピックアップします。

ICチップ端末におサイフケータイを近づけると、
・ケータイサイトのURLがおサイフケータイの画面に表示される機能
・任意のメールアドレスがおサイフケータイの画面に表示される機能

これらの機能を使って、まずは、

・貴院のケータイサイトのURLのご案内
・メルマガを携帯電話向けに発行するための患者メールアドレスの収集

を検討されたらいかがしょうか。

おサイフケータイ向けの接触端末は3〜4万円でさまざまなメーカーから販売されています。10cm四方以下の小さなサイズのものからあります。電池や電源コードで動きます。

一例で、(株)インデックスのおサイフケータイを使ったCRMサービスをご紹介しときます。
http://smmo.jp/index.html

駅看板などの交通広告の分野でもおサイフケータイの活用が始まっています。ソニー製のパソコンには標準でICチップ読み取り装置が搭載されるようになってきました。ICチップに関するビジネスは今後ますます発展しそうです。

おサイフケータイと診察券・電子カルテとの連携サービスも、ごくごく近い将来には医療界のテーマとなってくるような気がします。

医療マーケティングのパイオニアとして、今のうちから、ICカード、おサイフケータイを使った患者サービスを研究されることをお勧めします。

次回につづく。

2008年02月17日

【白衣のマーケター】ビル・ゲイツによる日本語ドメイン名の夜明け

米Yahoo!を446億ドルで買収するとしてインターネット業界を騒がせているマイクロソフト社ですが、医療マーケティング業界に多大な影響を与える施策も先週から実行中です。

マイクロソフト社は、先週2008 年 2月13日、いよいよパソコン用OSであるWindows XP向けに、ホームページ閲覧ソフトInternet Explorer 7の自動更新機能による配布を開始しました。
http://www.microsoft.com/ja/jp/default.aspx

後述しますが、これはWebを使った医療マーケティングにおいても見逃すことができない一大イベントなのです。

自動更新機能とは何かというと、インターネットにつながったパソコンを使っているWindows XPのユーザーに対して、下記のようなメッセージが表示されるのです。



つまり、
「あなたの使っているホームページ閲覧ソフトはもう古いので、新しいソフトにバージョンアップしませんか?」
といった案内が、ネット越しにマイクロソフト社からWindows XPのユーザーのパソコン画面にやって来るのです。

ホームページ閲覧ソフトのInternet Explorer 7は「セキュリティ」「操作性」が向上していますが、医療マーケティングにおいて重要な部分は、Internet Explorer 7が日本語ドメイン名に標準対応している点です。

日本語ドメイン名のことをご存知でしょうか?

例えば渋谷で開業する「日本太郎クリニック」があった場合、
http://www.nihon-taro-clinic.jp
といった横文字の暗記しにくいホームページアドレスではなく、患者にとってわかりやすい「漢字かなカナ」の日本語で
http://shibuya.日本太郎クリニック.jp
などで患者がホームページにアクセスすることができるのです。

2001年2月、今から約7年前、ドメイン名の業界団体である日本レジストリサービスにて日本語ドメイン名の登録サービスが始まりました。

7年前から日本語のドメイン名がホームページアドレスとして活用できるようになっているのです。

このことがこれまであまり知られていなかった理由は、普及しているホームページ閲覧ソフトであるマイクロソフト社の Internet Explorer が、日本語ドメイン名に標準対応しておらず、日本語のアドレスでホームページにアクセスできなかったからです。

この状況が2006年11月に一変しました。マイクロソフト社が Internet Explorer 7 をリリースし、日本語ドメイン名に標準対応してきたのです。

しかし、古いバージョンのInternet Explorer からInternet Explorer 7へのバージョンアップは、ユーザー自らがマイクロソフト社のホームページにアクセスし、バージョンアップの作業を行わなければいけませんでした。

日頃古いInternet Explorerで不便のないユーザーが多い中、Internet Explorer 7の普及は遅々として進んでいませんでした。

当サイトでもアクセスログを取って、ユーザーが使っているホームページ閲覧ソフトの分析をしておりますが、Internet Explorer 7を使っているユーザーは20%以下となっております。

今回のマイクロソフト社による自動更新機能に配信で、Internet Explorer 7は一気に普及・浸透すると思います。

また、2007年1月に発売された新しいパソコンOSである Windows Vista には Internet Explorer 7 が標準搭載されています。

日本語ドメイン名に注目が集まるのは必然です。

政府機関・大学・企業なども急速に日本ドメイン名に対応しはじめています。
http://xn--wgv71a119e.jp/case/accessible/

2008年は本格的に日本語ドメイン名も一気にメジャーになるものと当ラボでは期待しております。

貴院のホームページへのアクセス方法として、現在使われている英字数字記号のドメイン名を使ったURLに加えて

(まだまだ全ての患者が使っているホームページ閲覧ソフトが
 日本語ドメイン名に対応していないので、併記・併用されるべき)、

日本語ドメイン名からもアクセスできるようにし、日本語ドメイン名を駅看板・野立て看板・パンフレット・名刺などに印刷するなど、見込み患者にとってわかりやすいマーケティング環境をつくってください。

次回につづく

2008年02月10日

【白衣のマーケター】人の噂は75日、ネット上の噂は子々孫々まで

「病院検索」「診療所検索」などのキーワードでYahoo!・Googleで検索すると、病院・クリニックを探すための検索サイトがたくさん表示されます。医療マーケティングが本格的に商用化されてきたこと実感します。

各医療機関検索サイトは地域別・診療科目別・疾患別などそれぞれ工夫をこらして医療機関の情報が整理されています。

医療機関検索サイトとしてのビジネスモデルとしては、
・広告収入
・個別ページ掲載収入(簡易ホームページを医療機関に提供する対価として)
が中心です。

貴院が医療機関検索サイトを集患目的で利用する場合、媒体としての価値が医療検索サイトにあるかないかが重要です。1日何人のアクセス数があるかを医療機関検索サイトの媒体資料等で確認してください。定量的に販促チャネルとしての価値がわかります。

掲載料が無料の場合もありますが、ビジネスモデルにおいて他の収益モデルがない医療機関検索サイトについては、媒体としての自信がないことの表れです。登録しても販促チャネルとして機能しない場合があります。要注意です。

医療機関検索サイトでよくあるコンテンツに口コミ情報があります。患者が医療機関で受診したあと、感想を医療機関検索サイトに投稿しています。まだまだ絶対的な投稿量が少ないので、複数の医療機関を比較しにくいのと、情報としての信頼性を担保するしくみがないので、まだまだ医療機関に関する口コミ情報はネット上のキラーコンテンツとして認識されていません。

検索サイトにおける口コミ情報が医療情報としての信頼性を得るためにはどうすればいいでしょうか。

企業サイトの例をご紹介します。Yahoo!オークションでは、売買取引の後、必ず売り方・買い方双方から取引内容の評価をしてもらいます。その評価の累積は売り方・買い方の信頼度の評価尺度となり、売買取引前の参考情報として活用されています。

書籍ネット通販のアマゾンでは、絶対的なメジャーサイトとして読者レビューの量で質をある程度カバーしています。

医療機関の口コミ情報の場合も、アマゾン型になるのではないかと当ラボでは予想しています。

乱立する医療検索サイトの中から勝ち組サイトが出てきて、日本全国の口コミ情報の一極集中がはじまるのではないかと見込んでいます。医療マーケティングにおいて最も重要な対策対象となるかもしれません。

ネット上の口コミで悪口をいわれたらたまらないといったご意見もあるでしょうが、ごまかしのない透明性の高い医療マーケティングを展開していれば、多少の悪口は全く心配することはありません。むしろ積極的に口コミ対策を図り、貴院の医療マーケティングに活用するべきです。強気になってください。

口コミは医療業界においては伝統的な集患手法ですが、この手法の主なる舞台がネット上に移った場合、口コミのパワーは絶大な力をもつようになります。人と人との口伝いの情報伝播力に比べて、ネットの情報伝播力はケタ違いです。1:1ではなく、1:全世界で情報が伝播します。

ネットは記録性もあります。人の噂も75日といいますが、ネット上の噂は永久に電子データとしてネット上に蓄積されます。

なにかのはずみで貴院の負の口コミ情報が地域社会で流れてしまった場合、おおげさでなく経営破綻に追い込まれてしまうかもしれません。それほどの危機感が必要です。

将来を見越し(2〜3年以内だと思いますが)、口コミを活用して大躍進するために、口コミから貴院の経営活動を守るために、今から院長自らがマーケターとなって、来るべきときを迎えうつ準備をしてください。

次回につづく。


2008年02月03日

【白衣のマーケター】KY(空気が読めない)と患者に思われないためにも

医療マーケティングで貴院がYahoo!・Googleの検索連動型広告を使うとき、広告からのリンク先が貴院のホームページの先頭ページになっていないでしょうか。

もしそうであれば、ランディングページをご用意することをお薦めします。

ランディングページとは、検索者の検索目的を意識しながらリンク先のページを適切に用意することです。このことをWebマーケティングではLPO(ランディングページ最適化)といいます。

患者の検索目的を無視し、見当違いのページに案内してしまっては患者にKY(空気が読めない)と思われてしまいます。

LPOの具体的な例をご説明します。
車(トヨタのレクサス)を売りたいと思っている消費者がいたとします。
「レクサス」+「査定」でYahoo!・Googleで検索した場合、さまざまな査定業者の検索連動型広告が表示されます。

広告をクリックしたとき、業者のホームページの先頭ページが表示されてしまったらどうなるでしょうか。消費者は査定の手続きに関するページを探さなければなりません。あまた業者が存在するなか、ネットの世界ではこのようなわずかなストレスすら消費者は許してくれません。

この時点でこの業者は車を査定したい消費者から見捨てられてしまいます。移り気な消費者はワンクリックで他の業者のホームページに去ってしまいます。

LPOにおいては「レクサス」+「査定」で検索した消費者のニーズを考えて、ランディングページを用意しなければなりません。想定されるニーズの例としては、

・オンライン査定で業者間の査定額を比較したい。

などがあります。そう仮説を立てた場合、オンライン査定のためのページを検索連動型広告のリンク先でいきなり用意すべきです。その後、もしその業者の査定が一番高ければ、業者の信頼度とか所在地などを後から調べに来ることでしょう。

医療マーケティングにおいてもLPOの対策は重要です。

「渋谷」+「病院」で検索された場合、
「渋谷」+「美容外科」で検索された場合、

どちらも単純に貴院のホームページの先頭ページを表示させればいいというものではありません。

「渋谷」+「病院」で検索された場合であれば、検索者にとっての最大関心事は貴院の所在地かもしれません。職場の昼休みに通院しやすいとか。当然地名による検索なので近隣医療機関との比較もしたいのだと思います。

「渋谷」+「美容外科」で検索された場合では、他院で行っていない特殊技術をアピールすることが効果的かもしれません。

LPOの基本としては、キーワードごとに検索者のニーズの仮説を立て、キーワードごとにランディングページを複数用意します。しかし、そのための労力的負担は大きくLPO業者に依頼しない限り現実的ではありません。

貴院が大病院であれば企業と同じようにLPO業者にLPOの検討と作業を依頼するのもひとつの選択肢ですが、診療所であれば、簡易型のランディングページを用意する方法をご提案します。

簡易型のランディングページでは下記要素を1ページにコンパクトにまとめてください。

(1)経営理念のエッセンス
(2)差異化された特徴(他院と比べて)
(3)地図・電話番号
(4)写真4点(院長・スタッフ・施設外部・施設内部)
(5)サイトマップ(もくじ)

精密なLPOではありませんが、貴院の全体像を一瞬で理解してもらう手法により、多目的な検索者ニーズをある程度吸収できるものと考えます。

デザインだけは専門家にまかせた方がいいと思います。デザインといってもかっこよくすることではありません。情報の視認性を高めることが目的です。地図ひとつとっても、わかりやすい地図とわかりにくい地図はデザインである程度デザインで決まります。

ネットサーフィンでネット上を飛び回る見込み患者である検索者は移り気です。ランディングページでしっかりと、一瞬で貴院の全体像をアピールしてください。ホームページで見込み患者をうろうろさせてはいけません。

次回につづく。

2008年01月27日

【白衣のマーケター】検索連動型広告の盲点

Webによる医療マーケティングにおいて最も重要なSEO・SEOですが、ついつい見落としがちな検索連動型広告にかかわる盲点があります。

貴院が東京都渋谷区で病院・クリニックを開業しているとします。
検索連動型広告で購入すべき有力なキーワードとして「地名」+「病院」がありますが、次の2組の複合キーワードは同じ検索キーワードではないのです。(完全一致検索の設定をした場合)

「渋谷」+「病院」
「病院」+「渋谷」

「渋谷」+「病院」の検索キーワードを購入したとしても、見込み患者が「病院」+「渋谷」で検索した場合、貴院のホームページへの案内は広告枠に表示されません。

このことに気づかずにいると、「病院」+「渋谷」で検索した大事な見込み患者を他の病院・クリニックに奪われてしまうことになります。

パソコン用データベースソフトの場合は(エクセルなどの表計算ソフトの場合も)、データ検索のときに検索用語の順序は関係ないので、なぜYahoo!・Googleの場合は関係あるのか疑問に思われるかもしれません。

明確な理由があります。
Yahoo!・Googleなどの検索サイトでは、検索結果の表示順位に意味があり、検索を実行した人のよりニーズに合いそうなホームページを上位に表示しようとするのです。

つまり、Yahoo!・Googleは、
・「渋谷」+「病院」で検索する人
・「病院」+「渋谷」で検索する人
は、異なるニーズをもっているものと認識しており、違う検索キーワードとして取り扱っています。人智では認識できないレベルの差異まではっきりと判定しているのです。

なぜそのような神業じみた芸当がYahoo!・Googleにはできるのでしょうか。それは気が遠くなるような膨大な試行錯誤の賜物なのです。

インターネットユーザーは、Yahoo!・Googleを使って、日々何億回・何十億回規模で検索をしていると思われます。そのたびにYahoo!・Googleは順位を気にしながら検索結果を表示し、クリックといった形でインターネットユーザーからの反応を記録しています。

クリックされたものが上位に表示されたホームページであった場合、Yahoo!・Googleは自身のロジックが正しかったと満悦し、下位であった場合は反省して、ロジックを日々進化させています。検索されるたびにYahoo!・Google成長しているのです。

Yahoo!・Googleの神業とは関係ありませんが、当ラボの2008年1月1日〜1月15日の予備調査で、
「渋谷」+「病院」
「病院」+「渋谷」
の例の場合、検索件数の差もあることが確認されました。
「渋谷」+「病院」の方が約3倍多いのです。

もちろん貴院におかれましては、Yahoo!・Googleの膨大な試行錯誤の努力といった神業付き合う必要はありません。
「渋谷」+「病院」
「病院」+「渋谷」
で検索する人のターゲットを細かく分析することはありません。

しかし、少なくとも重要な複合キーワードについては、順序を入れ替えた全てのパターンの検索キーワードを購入してください。

検索用語が3つの以上の複合キーワードの場合はパターンが多すぎて大変ですが。

以上

2008年01月20日

【白衣のマーケター】芥川賞をねらう必要はありませんが。。。

貴院のホームページではアクセス解析を行っているでしょうか。
有料・無料の様々なアクセス解析サービスがありますが、有名なものではGoogleのGoogle Analyticsがあります。高機能ながら無料で使えます。

Google Analyticsを使うと、見込み患者による貴院ホームページへのアクセス状況を定量的に把握することができます。

ページ別・時間別・リンク元・検索エンジン・検索ワード・OS・ブラウザ等々、定量データを集めることができます。

医療マーケティングにおいて、集めたデータをどのように活用すればよいでしょうか。

アクセス解析という言葉の響きは統計学的分析を想像してしまいます。しかし、むしろ文学的感性の方が重要です。

想像力なしにデータからは何も見えてきません。

芥川賞級の文学的才能は必要ありませんが、データの裏、裏の裏、に潜むアクセスした見込み患者の感情・気持ちをイメージすることから医療マーケティングのアクセス解析ははじまります。

どんな境遇の人が、いかなる気持ちでパソコンの前に座り、どういった基準で検索キーワードを選択し、多数ある検索結果リストの中からなぜ貴院ホームページが目に留まり、貴院ホームページにおいて何を求めてページをめくったか、
院長は作家のような感性でフィクションを書かなくてはなりません。

小説と違って医療マーケティングにおけるフィクションはフィクションのまま終わらせません。限りなくノンフィクションに近づけていく作業・努力がマーケターには必要です。そうでないと医療サービスの向上につながらないからです。

フィクションの中で設定した主人公である見込み患者に対して、主人公が行動しやすい環境をSEO・SEM的に創造し、主人公が求めるコト・したいコトを貴院のホームページや院長ブログで用意します。

院長ブログへのアクセス数が少なければ、内容に問題がありファン化していないのか、単に院長ブログへのリンクが目立っていないのか、トップページの第1印象が悪くてきびすを返して貴院のホームページから去ってしまっているのか、ひとつひとつ仮説を立て、見込み患者が満足するのではないかという改善を試行し、結果を検証し、事実を追求する必要があります。

つまり、主人公の性格・行動パターンの仮説を立てて、その主人公が満足するであろうコトを実行してみるのです。

その結果、主人公が満足したら、その部分はフィクションではなくノンフィクションとして認識します。貴院の見込み患者イメージに関する仮説が証明されたわけです。

もし満足しなければそのフィクションは書き直しです。違うストーリーのフィクションを再度考え直す必要があります。

フィクションの出来が悪いと、ノンフィクション完成までの道のりが遠のきます。文学的素養・イマジネーションが乏しい方はアクセス分析に苦労することになります。

医師として、医療マーケティングのマーケターとして、結局は人間学に行き着くのだと思います。

次回につづく。

2008年01月16日

【白衣のマーケター】院長ブログで婚約会見

昨年2007年8月、北海道の銘菓「白い恋人」が賞味期限を改ざんして問題となりました。11月22日に販売が再開。ファンが殺到したといいます。各店舗では即日完売になったということです。

ブランド力の威力は絶大です。簡単にはブランド価値は消滅しません。

「痛い目に会ったので問題を起こしてない企業よりも安心だ」
などといった、笑うに笑えない消費者の意見もあるようです。

問題発生後に多少まごついて社会的批判を浴びてしまったとしても、その後の誠実な態度と時間の経過によって、もともと強いブランドをもっている企業はいつの間にか復活してしまいます。

日本ハムのときも三菱自動車のときもそうでした。

消費者も人間なので長年ブランドから受けてきた恩恵をおぼえているのだと思います。そして将来に対する期待があります。

「医師」という職業も一種のブランドです。近隣の住民に対して社会的貢献を約束しています。

医師ブランドが危険にさらされるのはどんなときでしょうか。もちろん法的な過ちを犯してマスコミなどから叩かれる場合は論外ですが、医療訴訟等で注目を浴びる場面など微妙なケースもあります。

身近なところでは口コミよる風評被害があります。

「あそこのクリニックの看護士は横柄だ」
「待ち時間がやたら長い」
「知り合いだと後から受付しても優先して診療している」

などなど、誤解も含めて何かのきっかけでネガティブな評判が立ってしまい、実態とはかけ離れて口コミが増幅・伝播してしまうときがあります。

医療マーケティング上の非常事態です。

2ちゃんねるに代表されるネット上の情報共有の場も発達してきており、昔のように口から口へと伝播したスピードに比べて、1:nの比率で爆発的に情報がひとり歩きしてしまいます。

患者向けの病院・クリニックのWeb上の口コミサイトなども盛り上がりをみせています。Yahoo!で「病院 口コミ」で検索してみますと、玉石混合ですが27,000,000件の関連情報がリスティングされます。

上位5件にランクされたWebサイトは下記のとおりです。
どれも医療機関の口コミ専用の本格的なポータルサイトです。

http://www.10man-doc.co.jp/
http://www.qlife.jp/
http://www.hospita.jp/
http://www.tusinbo.com/
http://www.oishasan.jp/

このような口コミ情報を患者が活用しているという事実を貴院では強く意識されているでしょうか。ラーメン・レストランなどのグルメ情報と同じような感覚で受診後の患者が感想などを書き込んでいます。

もし自院についてネガティブな情報を口コミサイトに書かれてしまった場合、どのような対策をとればよいのでしょうか。

口コミサイトにクレームをつけたところで門前払いにされるだけです。ネガティブな情報を含めて患者から見れば重要な情報だからです。

今一度、医師はブランドであることを思い起こしてください。患者側にはブランドに対する強い期待があるのです。

情報をこそこそ隠さない限り、誤解が発生しても、間違っても、至らなかった点があったとしても、包み隠さず、反省なり、謝罪なり、誠実に対応していれば、時間の経過とともに風評はやがて消えていくに違いありません。

医療マーケティングにおける情報の公開性・透明性を実現する方法として、当ラボでは院長ブログの活用を推奨しています。

率直に誠実に患者に向かって語りつづける、 逃げず隠れず全人格をさらけ出して地域社会と付き合っていく、そんな院長の擬人化のための手段がまさに院長ブログなのです。

ネット上の不特定多数無限大の記者が目の前にいるつもりになって、24時間365日、院長ブログを使って記者会見を開いてください。ときには自慢、ときには謝罪でもいいと思います。
機会があれば婚約会見もおすすめです。

次回につづく。