2007年11月11日

【白衣のマーケター】魔法の杖を使わないヒトがなぜ多いのか?

マーケティングのスキルを身につければ、商売の達人たちに少しでも近づけるのではないかと思ったのが、私がこの道にはまったきっかけです。

商売を繁栄させるための経営資源はヒト・モノ・カネといわれています。最近ではヒト・モノ・カネ・情報ともいわれていますが、情報は情報を集めるスキルがあるヒトとやや概念が重複しているので、やはりヒト・モノ・カネなのではないでしょうか。

モノとカネは至極わかりやすい。

カネがあれば投資活動に苦労しませんし、モノにしても土地があれば左団扇で賃貸収入などで暮していくことができます。

ヒトが一番よくわかりません。

当然ですがヒトの頭数がそろっていればいいというものではありません。ヒトの何が、どの部分が、商売繁盛の大きな要因となるのでしょうか。

商才に長けているといわれる人がいます。いわゆる金儲けがうまい人です。そういわれる人たちが共通で身につけているスキルは何かというとこれまた難問です。

口がうまいのか、帳簿計算が速いのか、忍耐強いのか。なんだかよくわかりませんが。しかし実際、商才がある人はお金をたやすくつむぎだします。

かつての私にとって、周囲の商才のある人たちは摩訶不思議な達人たちでした。

それがマーケティングを訓練するようになって一変しました。達人が普通の人に見えてきたのです。達人の欠点すら見えてきました。

マーケティングは商売の ”魔法の杖” です。マジックです。
マジックなので仕掛けがあります。しかも王道のゆるぎない仕掛けです。タネ明かしはこうです。

マーケティングは、
「何百万人もの学者・マーケターたちが理論・実践の両面から何十年にも渡って磨きに磨きぬいた珠玉のテクニック集」
だからです。

当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
経営のための珠玉のテクニック集があるにもかかわらず、それを訓練しない経営者があまりにも多いという事実です。
企業の世界でもそうです。

珠玉のテクニック集という認識がないのだと思います。

野球の投手がフォークボールやスライダーなど変化球に、
全く興味を示さないのと同じくらいの変な事実なのです。

業界ごとにマーケティングに関心をもち訓練をしている人の率は極端に違うと思いますが、私の実体験でいうと一部上場企業の営業部門のビジネスマンですら10%もいないのではないでしょうか。

所詮ビジネスマンも大半はサラリーマン的な勤め人であり、
経営者マインドをもっていないのです。

企業以外の業界だと訓練率はどうなるでしょうか。
医療界はどうですか?

勤務医はマーケティングに関心がないと思います。なぜなら日常的に経営をしていなからです。

経営をしている開業医の院長はどうでしょうか? 

・4Cを意識して経営をしていますか?
・SWOT分析をしたことがありますか?
・4Pを練り上げて医療サービスを企画したことがありますか?

これらはマーケティングの基本中の基本です。教科書・入門書の1ページ目に出てくることばかりです。

開業医は経営者です。商売人にならなくてはなりません。

でも安心してください。所詮マーケティングはテクニック集です。テクニックは数をこなせば誰でも覚えることができます。恐れるに足りません。

経営者としての志が高い院長と一緒に医療マーケティングの分野を切り開いていきたいと思っていますが、その前に基本的なマーケティング・スキルを是非訓練してください。

次回につづく。

2007年11月04日

【白衣のマーケター】院長ブログによる来院前のリピーター化

マーケティング的に価値のある院長ブログ作成の勘所は、来院する前の「リピーター感覚」の醸成につきます。

企業マーケティングの世界では、新規顧客をつかむのは、リピーターを作るより、5〜7倍のコストがかかるといわれています。

逆にいえば、リピーターには5〜7分の1の格安コストで再来院を促すことができます。

一回も来院したことがない見込み患者に、なんとなく既に付き合いがあるような感覚をもってもらう仕掛けをつくる、院長ブログの戦術的な活用方法のひとつです。擬似リピーターづくりです。

ではどのようにすれば見込み患者が擬似リピーターとなってくれるのでしょうか。

・五感体験
・コミュニケーション

がポイントです。
院長ブログを通して、見込み患者の五感を刺激しながら、コミュニケーション体験をしてもらうのです。

代表的なテクニックを列挙します。

・院長の熱い思いを吐露する動画を配信。
これはGoogle関連会社のYoutubeの動画配信サイトを使えば簡単に実現できます。写真とは違って、動画は院長の人柄に関する情報量が飛躍的に高まります。(悪い方に高まる危険性もありますが)
http://www.youtube.com/

・院長ブログに掲載する写真は常に患者目線。
院長の人柄を伝えるための日記に掲載する写真について、院長目線ではなく、患者目線にするために、必ず院長を被写体に入れてください。見込み患者に院長との出会い感覚を演出します。

・患者からの声を紹介。
院長との対話感を醸し出します。院長からの一方通行の情報発信ではない、一体感を増幅します。

無料診療相談メール、掲示板運営、SNSによるコミュニティ開設など、まだまだ細かいテクニックはありますが、ネット上で親交を深めることのマーケティング的価値を本日はご理解ください。

次回につづく。

2007年10月28日

【白衣のマーケター】院長ブログと社長ブログの違いについて

ホームページのコンテンツとして病院・クリニックのホームページで院長ブログが採用されはじめています。

企業の世界では、企業ホームページよりも社長ブログが有名なほど、元気のいい会社といわれています。

一時期のライブドア社のホリエモンのブログが好例ですね。

今でも、
サイバーエージェント社藤田晋社長の「渋谷で働く社長のアメブロ」
http://shibuya.ameblo.jp/
GMOインターネット社の熊谷正寿社長「クマガイコム」
http://www.kumagai.com/

は人気の社長ブログです。企業のイメージ発信装置として戦略的に活用されています。

院長ブログも社長ブログと同じように戦略的に活用するべきであると当ラボでは考えています。むしろ院長ブログこそ、社長ブログより戦略的に取り組むべきです。

院長ブログと社長ブログには微妙に役割の差異があります。

経営において院長は商品・サービスそのものといえるからです。

社長はシンボルにはなりえますが、商品・サービスにはなれません。ソニーの商品は薄型テレビのBRAVIAやゲーム機のPlayStation3であり、ハワード・ストリンガー会長ではないのです。

院長は違います。診療において患者と実際に接する医療サービスの源です。ある意味サービスそのものです。

マーケティングの基本に4Pがあります。製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)のことです。
とりわけ製品(Product)は重要なのですが、院長は病院・クリニック経営において製品(Product)に位置します。

当ラボでは医療マーケティングにおける院長ブログの活用方法を研究中です。近くそのWebマーケティング・ツールを発表する予定ですので楽しみにしていてください。

次回につづく。

2007年10月21日

【白衣のマーケター】ホームページの価値のひろがり

最強のマーケティング・ツールとしてのホームページの価値は、これから何回でも訴えていきたいですが、ホームページの価値はそれだけではありません。

@リクルート・ツール
Aスタッフ労務管理・ツール
B広報・ツール

としての価値もあります。

ひとつひとつに重要な意味があるので、今後このオンライン・マガジンで個別に詳しくご説明していきます。今回は大枠だけ書きます。

@リクルート・ツール
病院・クリニックの経営理念・院長の人柄・スタッフの雰囲気・労働環境・仕事のやりがいなど、労働条件以上の情報を就職検討者に共有してもらった上で、応募を受け付けることができます。
つまりある程度応募者のスクリーニングが可能であり、自院に合ったスタッフが集まりやすくなります。
もちろん低コストの媒体価値としての価値もあります。

Aスタッフ労務管理・ツール
スタッフとのコミュニケーションがしやすくなります。普段なかなか濃密な会話ができていなくても、院長の熱い思いをスタッフに伝えることができます。
「ああ、院長はこんな方針で病院経営をしたいんだ」という気づきをスタッフに与えることができます。それだけでも価値は大きいと思います。

B広報・ツール
病院・クリニックの、ひいては院長自身のブランド構築のためのツールとなります。患者だけでなく、医療業界の様々な利害関係者に対して、院長自身の付加価値を表現・伝達することができます。

以上、マーケティング的な価値以外のホームページの価値について書いてきましたが、これら以外の価値についてもありそうなので、研究成果を今後発表していきたいと思います。

次回につづく。

2007年10月14日

【白衣のマーケター】医療広告規制とホームページ

依然として医療広告規制は厳しいですが、ホームページはその対象外となっています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/0106/tp0604-1.html

厚生労働省の見解は、

「(患者が)意思をもってアクセスするのは(医療機関の)個人情報で、不特定多数に対する情報には当たらない。電話をかけるのと同じ」です。

はっきりいって意味不明。よくわかりません。

ベストセラー「Web進化論」の著者である梅田望夫氏が言っていますが、インターネットは「不特定多数無限大の人々」を相手にする世界です。

そうでなければネットショッピングなどBtoCの商売はできません。楽天も楽天ゴールデンイーグルスも世の中に存在しません。

厚生労働省の感覚のズレなのか、深遠な国家戦略なのか、真実は藪の中ですが、大衆感覚でいうと、摩訶不思議な方針に見えてなりません。

とはいってもこの状況は病院・クリニック経営にとっていい傾向だと思います。最強のマーケティング・ツールであるホームページに規制がかかっていないということは、実質的な医療広告規制解除に等しいからです。

大手を振って院長はホームページを使ったマーケティングを実行することにしましょう。

次回につづく。

2007年10月07日

【白衣のマーケター】ホームページ制作会社との付き合い方

ホームページ制作会社を探すときのポイントは一つです。

マーケティングができるかどうかにかかっています。

マーケティングができないホームページ制作会社に仕事を発注してしまった場合、結果は悲惨です。見栄えだけがいい、患者が集まらないホームページが納品されてしまいます。

マーケティングも得意なホームページ制作会社を紹介してほしいとよく尋ねられますが、正直いっていつも困ってしまいます。なかなかないのです。

最近ではホームページ制作会社も努力していて、SEOができる会社は増えています。しかし、根本のマーケティングがわからないので、小手先の手段に対応がとどまりがちです。

マーケティング会社が下請けでホームページ制作会社を活用している例はあるのですが、付加価値が高いのと、下請けを使っているためか、コストが高額になりがちです。

ここで営業風に、
「しかし、Dr.マーケティング・ラボでは〜」
とアピールしたいところですが、当ラボもホームページ制作のノウハウはもちあわせていません。仮にホームページ制作業を当ラボが始めるにしても、下請けを使うしかありません。

当ラボからのご提案としては、院長にWebマーケティングの知識を身につけて頂き、ホームページ制作会社を指導して、ホームページをつくってもらうパターンです。

Webマーケティングの知識は院長にとって決して無駄になりません。なぜなら院長は経営者だからです。
一方、ホームページ制作の知識は無駄になります。なぜなら院長は経営者だからです。(趣味には活かせますが)

マーケティングは経営者である院長にとって必須のマネジメントスキルなので、院長自らがマーケターとしてホームページ制作会社と付き合う覚悟を決めることをご提案します。そのための支援役が当ラボのミッションです。

近く医療機関向けのホームページ制作業に乗り出すかもしれませんが。。。

次回につづく。

2007年09月30日

【白衣のマーケター】パンフレットとホームページの違い

1990年代後半になっても、ホームページは電子パンフレット・電子チラシと呼ばれていた時期がありました。

今では考えられないことですが、当時はしかたがなかったのかもしれません。なぜなら、Yahoo!・Googleなどの検索エンジンが存在しなかったからです。

検索エンジンのおかげで消費者は積極的・能動的に情報にアプローチすることができるようになりました。検索すれば欲しい情報が必ず見つかるといった絶対的な安心感が消費者側に醸成されたのです。

同時に情報の送り手側にも激震が走りました。消費者がホームページを見つけてくれるということは、ホームページに媒体(メディア)的な価値が生まれたことを意味します。

きちんと情報発信すれば、見ず知らずの、しかもその情報に関心の高い人々と、コミュニケーションできるようになったのです。まさに媒体(メディア)です。

ネット業界ではGoogle前/Google後と呼ばれるくらい、検索エンジンの登場は革命的な出来事なのです。

Google後、ホームページの役割は180度転換しました。消費者にホームページの存在をいかに消費者に見つけてもらうかが最大の関心事になったのです。

病院・クリニックの紙のパンフレットの場合、見ず知らずの見込み患者に手渡す方法はほぼありません。まさか街頭に立ってティッシュと一緒にばら撒くわけにもいきません。ばら撒いたとしてもほとんどの人が病院・クリニックにそのタイミングでは興味のない人ばかりです。

ホームページは違います。「病院 外科」などの検索キーワードを入力した人と検索エンジンを通じて出会うことができます。しかも出会ったとたんに情報提供が可能です。

検索エンジンにわざわざアクセスして、検索キーワードを入力し、検索実行ボタンを押した1秒後は、見込み患者の関心が最高潮に達するタイミングです。

最高潮に見込み患者の関心が高まったタイミングを捉えられることの利点はあまり取り上げられていませんが、Webマーケティングの最大の特徴といえます。テレビCMなどのマスメディア広告でも実現できていないメリットです。

時代の寵児となったホームページに関して、院長が今もって電子パンフレットを思っているとしたら要注意です。ライバル病院・クリニックと天と地の差がついてしまう前にいち早く経営にホームページを取り入れてください。

次回につづく。

2007年09月23日

【白衣のマーケター】検索キーワードとしての「病院」の意味

病院・クリニックを検索するとき、検索キーワードに含める施設用語として、何が一番いいのでしょうか?

・病院
・クリニック
・医院
・診療所
等々、候補があります。

検索キーワードとして何がよく使われているかを調べるツールにオーバーチュアのキーワードアドバイスツールがあります。
http://inventory.overture.com/d/searchinventory/suggestion/?mkt=jp
オーバーチュアはYahoo!の関連広告会社です。

残念なことにキーワードアドバイスツールは2007年5月から一般向けにはサービス中止となってしまいました。しかし、2007年4月までのログはネット上で今でも公表されていますので、2007年4月時点の状況は把握できます。

例えば下記のAnd条件でのYahoo!における検索数を示します。

「病院 検索」 : 34,922件
「クリニック 検索」 : 307件
「医院 検索」 : 263件
「診療所 検索」 : 81件

「病院」というキーワードが圧倒的に多く使われています。患者にとって、クリニックも医院も診療所も病院なのでしょう。

SEOで検索キーワードを考えるとき、貴院名が「???クリニック」であったとしても、より検索キーワードしてメジャーな「病院」「クリニック」「医院」も検討することが重要です。

歯科の場合、検索キーワードは「歯科」だけでなく「歯医者」というキーワードも同じくらいメジャーです。

「歯科 検索」 : 965件
「歯医者 検索」 : 777件

マーケティングは患者を来院させるためのしかけづくりです。
とことん患者の視点に立って、戦略・戦術を考えることにしましょう。

病院・クリニック側の事業者視点をいかに捨てられるかが、これが今日的なマーケティングの出発点です。

次回につづく。


2007年09月16日

【白衣のマーケター】SEOと診療圏

SEOにおける診療圏をどう考えたらよいでしょうか?
貴院名の存在を知らない診療圏の住民の方とのインターネット上の出会いは大切です。

かかりつけ医を近所で探すWeb上の行動は、患者がよくとられる行動です。

例えば東京都渋谷区に住んでいる方が、検索キーワードを「渋谷 病院」とし、AND条件で検索することはよくあります。検索結果には渋谷区所在の病院・クリニックがリストアップされます。

おそらく患者は1ページ目の1件目から順番にクリックして、ホームページを次々に見ていきます。2ページ目、3ページ目くらいまでならもしかしたらクリックして頂けるかもしれません。(可能性は低いですが)

病院・クリニック側の視点のSEOにおいては、「病院」という一般用語と診療圏を組み合わせたAnd条件の検索キーワード対策は重要なので実行すべきですが、患者視点でいうと、おおいに問題があります。

近所の病院・クリニックのホームページが全てリストアップされているかがわからないからです。

ロジカルシンキングでいうところのMECE(ミーシー、Mutually Exclusive Collectively Exhaustiveの略。要するに”ダブリなく・漏れなく”という意味)でないのです。

全体像がわからない情報について人は信頼を寄せません。まだ他にいい情報があるのではないか? という不安が残ります。

Yahoo!・Googleなどの検索エンジンで情報を検索するときには、常にこのMECE問題がつきまといます。

ラーメン屋や雑貨店の検索ならまだがまんできたとしても、人の命にかかわる医療情報において人はナーバスになりがちです。この点からも医療マーケティング独特の環境があります。

ではどうすればいいのか。患者が検索したときに診療圏をMECEに表示するサービスがあればいいのです。

この課題を解決してくれるサイトはたくさんあります。地域の索引機能があり、それをたどっていくとその地域の病院・クリニックが表示されます。

ただこれらのサービスも問題をはらんでいます。クリニック名・住所・TELなどはMECEでも、ホームページのURL情報がMECEでないケースが多いのです。URL表示を広告扱いにしていることもよくあります。

この状況を打破するためにはどうしたらいいか。当ラボの研究課題となっております。検討状況の進捗についてこのオンライン・マガジンで今後お伝えして参ります。

次回につづく。



2007年09月02日

【白衣のマーケター】弱肉強食のSEOからの卒業

弱肉強食のSEO合戦に巻き込まれた場合、これは悲惨です。消耗戦を余儀なくされます。

検索エンジンの場合、勝った、負けたが、一目瞭然でわかりやすいので、いたちごっこがはじまります。誰かがあきらめるまで、SEOの専門書とにらめっこになったり、SEO専門会社に改善を委託したり、永遠の戦いが続きます。

いたちごっこがつづいて、いくところまでいってしまった場合、最後は「運」です。なぜならSEOの最善手は誰にわからないからです。(もちろんからくりをしっているYahoo!やGoogle自体は知っているのでしょうが)

当ラボでは弱肉強食の世界で戦うための術も説いてはいきますが、それ以外の方法での貴院のSEOも達成できたらと考えています。

もしそれが達成できない場合、貴院だけではなく、貴院を取り巻く患者の情報アクセス機会を奪うことになります。この状況を看過することは当ラボの経営理念に反します。

患者の情報アクセス機会を担保するためのマーケティング・ツールを企画・開発する必要があります。当ラボの社会的ミッションです。

まずその第1弾として、当ラボが開発しているのが、

・病院名ポータル共有サービス

です。
2007年10月からβ版を開設します。

次回、このサービスの中身をご案内します。